禁煙と喫煙の間

タバコに関するあれこれ

タバコは体に有害か?

たとえば肺癌と喫煙とに因果関係はあるか、といえば、どうも定説はないらしい。

それならば肺気腫はどうか。これははっきり因果関係があるという説が有力だろう。

私自身の経験に徴してみても、風邪ひき後の、喉と鼻の違和感(おそらく副鼻腔炎)は禁煙によって一週間足らずで収まってしまった。つまるところ、喫煙が呼吸器に害を及ぼしているのは疑う余地がない。

まあ、ものを燃やした煙、煤でまっくろになった物質を臓器のなかに取り入れるというのは、ちょっと考えてみてもまっとうな人間のすることではない。タバコを部屋で吸っていると、壁や天井がヤニで茶色くなってくる。その大元の煙を肺に入れるんですよ。そりゃ肺が煤でまっくろになるのも道理だ。

喫煙者はそんなことはおかまいなくプカプカやっている。人体の浄化作用をよほど過信しているのでない限り、かれらの行動を是とするのは困難だ。

人体の浄化作用といえば、たしかにそういうものはあるだろう。しかし、これも年齢とともに衰えていくものだとすれば、人生のある時期に達したとき、つまり浄化機能がうまく働かなくなったときを超えても、なおタバコを吸い続けるのははたして賢明であろうか?

私は去年の6月をもって、自分の体がもはや喫煙に耐えられなくなっていることに気づいた。これ以上吸い続けているとえらいことになるよ、という無言の警告を受け取ったと解釈している。

表題の設問に戻れば、タバコが有害であっても、それを跳ね返すだけの健康があればとくに問題なし。タバコの毒性に体が耐えられなくなったら、そのときは思い切りよく禁煙すべし、というのが私の回答。