禁煙と喫煙の間

タバコに関するあれこれ

末期的形態を経て

もう更新することはないと思っていたが、ついさっき、パイプに火をつけて一服したところなので、久しぶりに何か書いてみよう。そもそもなんでパイプなんぞをまた取り出したのか。これは、会社での改革というの名の改悪によって、イライラが募っていたことに…

禁煙の末期的形態

禁煙を続けていて、最終的にはどういう状態に至るのか、を考えてみる。自分のことでいえば、おそらく完全な禁煙者、つまりまったくタバコを必要としない人間になるであろう、という予想が立つ。というのは──だいぶ前のブログにも書いたように、去年の九月に…

匂いとニオイ

「地下鉄のザジ」の愛好者なら、映画でガブリエルが開口一番に吐くセリフ「ドゥキピュタン」を覚えているだろう。Doukiputan とは、D'où qui pue tant であって、直訳すると「ひどく匂うのはどこから?」ということになる。生田耕作の訳では「くせえやつらだ…

年に数回の喫煙はOKか?

私の母は、ふだんはタバコを吸わなかったが、親族の集まりなどの席で、年に数回、タバコを吸っている姿を見かけた。また、うちでもごく稀に、たとえば夫婦喧嘩をした後、どこからかタバコを一本手に入れて、寂しそうにくゆらせていることもあった。彼女は喫…

パイプにフィルターは必要か?

パイプにうまく火がつかないので、どこかおかしいのかと思って調べてみると、どうも金属のフィルターにヤニが付着して、空気の通りがわるくなっているのが原因らしい。このパイプを買ってからもう30年以上にもなるが、フィルターの掃除など一度もしたことが…

ピエール・ルイスのタバコ小説

半世紀ほど前まで、タバコ本や喫煙エッセイといえばきまって引用されるものに、ピエール・ルイスの「新しい快楽」という短篇がある。ためしに古本屋へ行って、その手の本を探してみるといい。どこかに必ずルイスの名前は出てくる。戦前のタバコ文学の代表的…

タバコの値上げについて思うこと

またタバコが値上りするという。まあめちゃくちゃな大幅値上げというわけではないので、喫煙者もしぶしぶ納得というところかな。私の思うのに、だいたい600円くらいまでならなんとかなりそうだ。しかし700円になると、たぶんあちこちから悲鳴が上がってくる…

パイプ煙草は燃やしつくすべきか?

前回紹介した由良流パイプ道では、とにかく燃やしつくすことに意義があるような書きぶりだった。そして、燃やしつくすにはパイプでないとダメだということだったが、そういうわけでもない。というのも、フィルター付きのタバコだってその気になれば燃やしつ…

由良君美のパイプ頌

英国のさる詩人の詩句に、おれはワイフとパイプを残して死ぬ。 どうかパイプを大事にしてくれ。というのがあるらしい。パイプというのは、ある種の人間にはそれほど大切なものなのだ。由良君美といえば、私にとっては輝かしい名前である。十年ほど前、四方田…

禁煙是非

タバコをやめてなにかいいことがあったか。私の場合、はっきりしているのは、そのぶんお金が浮いたことくらいだ。健康面では、たしかにやめた当初はなんとなく体も軽く、二、三歳は若返ったような気がしたが、文字どおり気がしただけで、じっさいはほとんど…

たばこ屋の娘

「たばこ娘」の評判をネットで探していたら、「たばこ屋の娘」というマンガがあることを発見した。作者は松本正彦という人。まったく知らない人だが、これもなにかの縁と注文して読んでみた。私は漠然とつげ義春の「古本と少女」みたいな話を期待していたん…

「たばこ娘」再読

日本のタバコ文学のなかでも屈指の名作だと思っていた源氏鶏太の「たばこ娘」。これを読み直してみたが、どうもあまりおもしろくない。もともとそう深みのある話でもないので、読めば読むほどその底の浅さが露呈するのか、とも考えたが、そればかりではない…

電子タバコ不要論

最近では電子タバコを吸ってる人をよく見かけるようになった。自分の周囲にもそういう人はちらほらいる。ふつうのタバコと並行して吸っていたのが、だんだん電子タバコのほうに重点が移動して、いまではもっぱらそっちばかり、という人もいる。おそらくかつ…

夢の中の喫煙

喫煙者でも禁煙者でもない、その中間を目指すという私の意図は、まったくもって実現がむつかしいことに気がついた。タバコというのは、吸うか吸わないかのどちらかなので、その中間なんてものはないのではないか。そう思うようになった。じっさいのところ、…

citariusの異常な愛情または私は如何にしてタバコをやめ、パイプを愛するようになったか

2016年10月23日に書いた日記の再録。某所にあげていたが、どうも場違いのようなのでこっちに移すことにした。 * * * タバコを吸わなくなってはや4ヶ月が経った。うむ、いい感じですね。なにがいいかって、タバコの支配を徐々に脱しつつあるのが実感でき…

アメスピ禁煙法なるものが

あるらしい。なるほど、あってもふしぎはないと思う。なによりも、私が禁煙する直前に吸っていたのは黄色い箱のアメスピだった。おかげで、いちばんきついといわれる最初の三日の禁断症状はうまくかわせたように思う。いつごろからアメスピを吸っていたか、…

禁煙失敗談

最初に禁煙しようと思い立ったのはもう何年も前のことだ。きっかけは何だったか忘れたが、とにかく始めることにした。数日して気がついたことは、タバコが吸いたくなる状況というのは、連続的もしくは瞬間的に緊張を強いられるときと、緊張から解放されたと…

禁煙成功の目安

私が仮に「禁煙原理主義者」の名で呼んでいる人々がいる。かれらの特徴は、とにかく一本でも吸ったら禁煙失敗だと考えている点だ。いわゆる受動喫煙も不可。煙のあるところにはぜったい近寄らない、ニコチンは微量であっても摂取しない、というのがかれらの…

タバコは体に有害か?

たとえば肺癌と喫煙とに因果関係はあるか、といえば、どうも定説はないらしい。それならば肺気腫はどうか。これははっきり因果関係があるという説が有力だろう。私自身の経験に徴してみても、風邪ひき後の、喉と鼻の違和感(おそらく副鼻腔炎)は禁煙によっ…

これまでの流れ

30年以上も吸っていたタバコをやめたのが去年の6月24日だった。 きっかけは、3月にひいた風邪の後遺症(?)で、風邪が治ったあとも、喉と鼻の調子がおかしく、胃も重苦しくもたれる感じで何を食ってもうまくない。 そこでとりあえずタバコをやめてみようと…